山田マシンツール 山田雅英社長に聞く

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機械工具商・刻印機メーカーと2つの側面を持っております。

 

山田マシンツール株式会社 山田 雅英社長

 

――新卒採用など人材確保の状況について教えてください。

 

山田社長

今年の春、久しぶりに新卒1名を採用しました。新卒を増やしたいのですが、現在は中途の即戦力を求めていて、常時、採用活動を行っている状況です。大手の求人情報サイトを3種類ばかり使っていますが、処遇の打ち出し方で反応が変わってきます。それを打ち出しできる職種と、できない職種があるのが難しいところですが、例えば「時短社員」とか「週休3日」などそういう打ち出し方をすると反応はいいです。外国人社員は現在1名。タイに子会社がありますが、現地からはエンジニアの質が高いと聞いています。日本でエンジニアの採用に苦しむのなら、今後はタイで採用して日本で育成するようなことも検討しています。

――昨年、「第70期経営基本方針 挑戦で変化を乗り越えろ!」を策定しました。

 

山田社長

企業理念を明文化したり、企業の社会的使命のほか、役員・管理職・社員の行動指針なども明記し、それを全面的に打ち出して採用活動を行っています。そして企業理念の中で「まず家庭から」という内容も盛り込みました。“家庭が一番大切でしょ”ということです。日本の持っていた強固な共同体を取り戻し、それをまた世界に広げたい。共同体の基本は家庭で、社員が家庭を大事にできる会社にしたい。そして次に社員が自分の生活を支える場が「会社」という共同体であることを自然に思ってもらえるような会社にしたい。取引先と強い信頼関係に基づく共存共栄の輪を広げていきたい。実践はこれからですが、創業者である父は近江商人の三方良しの精神で経営を行ってまいりました。今で言うソリューションスタイルを実践していました。手間ひまがかかり、ずっと大変だったと思いますが、社員の知見は高まりました。お客様との関係も深くなりました。会社が70年以上も続いている要因だと考えています。

――同族経営はどのように見られているとお感じですか。

 

山田社長

私も聞きたい時があります。ただ個人的に思うには、長い目で見た時は同族経営の方が良いのでは。現在はステークホールダーが株主で、四半期ごとに業績チェックをやらされて、株価を上げろとか、配当をよこせとか、そういうことに対して、社員たちが汲々になって働かされているような風潮があります。会社が節目を迎えたので経営基本方針を作りましたが、私はこの風潮については懐疑的で、そういった意味から企業理念に「家族」という言葉を入れた次第です。同族経営企業やオーナー経営企業においては会社を長く存続させることが強く求められます。社員も生活を安定させる、安定した生活を長続きさせることが重要と考えた時、価値観は全く同じだと思います。

――求職者はどのような点を企業選びのポイントにしていますか?

 

山田社長

最近は「働きやすさ」、「やりがい」、「将来性」を留意しているように思います。とにかく仕事に対する意識や考え方、企業に対する見方もが急激に変わってきています。その一方、「権限移譲」や「自律性促進」など人材育成面からエンパワーメントを目指している経営者も増えているように思われます。組織がフラットになるし、社員の自由度も高くなる。それに伴って必然的に働き方も変わってくる。そういった点も求職者は見ているように思われます。そのほか、最近では会社の組織運営において、「心理的安全性」のある組織作りが重視されているようです。当社でも経営幹部には書籍を配布し、勉強中です。そういうことをやらないと人が集まらないというより、それ以前に会社がやっていけなくなるのではないかと強く感じています。先の見える時代ならトップダウン経営が有利だと思いますが、先の見えない時代に入りました。ボトムアップ型で、とにかく現場の自律性を高めて、そして現場で自由に挑戦してもらえるような職場づくりが必要ではないかと思っています。

 

【取材・文/写真、饒波(のなみ)正紀】

 

 

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