当社には、切削工程ではフライス盤や旋盤のほか、特注の5軸加工機や複合加工機など、高精度・複雑形状に対応するための先端設備が整っています。しかし、加工素材は、アルミや真鍮、ステンレスのほか、チタンやリン青銅、低熱膨張材といった難削材まで幅広く、それらを㍈オーダーの幾何公差で仕上げるには、加工機の性能に加えて、形状や素材に対する知見や冶具の選定方法など、経験を基にした加工技術者の技能が欠かせません。
　これまで、新卒採用は地元工業高校の卒業生を中心としてきましたが、今後は理系学部を卒業した大学生の採用にも力を入れ、「技術」、IT」、「経営」の面で将来的に貢献できる社員を求めて生きたいと考えています。特に重視しているのは「技術」で、加工技術を何段階も高めていくには、工具の選択や加工条件の決定に際して、理論に裏付けされたノウハウが必要ですので、理系学部出身の大卒者に期待を寄せるところです。
　今まで手掛けたことがない特殊合金の加工であっても簡単に断るのでなく、まずトライして、顧客の求める寸法や制度を満たすためにはどのような問題があるかを明らかにして、検討していくことが今後の技術的な蓄積になっていきます。そのためには、加工時に起きる工具摩耗などの物理現象の解析・評価といった理論的アプローチが必要です。顧客の社内でも競合他社でもまだ実現できていないことを、当社で解決できれば大きなビジネスチャンスです。さまざまな課題に対して、興味を持ってチャレンジしてくれる人材を求めています。

第一製造課マシニンググループ係長
茂木 信宏（2012年入社）

　工業高校を卒業して入社し、2022年4月からマシニングなど15名のグループの係長を務めています。5軸加工機のオペレーションのほか、作業予定を組み、個人別、機械別に割り当てるマネジメントも担当しています。加工方法を検討し、仕様通りの精度で部品が出来上がると達成感が得られ、やりがいを感じます。社員同士の仲が良いので工程間のコミュニケーションがとりやすいことが当社の良い点です。皆が助け合える組織づくり、日々技術の鍛錬と若手への指導に努めています。

　半導体製造装置や液晶露光装置、光学機器、医療機器などで要となる光学部品の超精密部品加工を得意としています。たとえば、液晶露光装置に使われる鏡筒に求められる加工精度は500㎜の径に対して真円度、円筒度、平面度などが3㍈（1㍈は1/1000㎜）。最先端の加工設備と加工技術者の技能によって、顧客からの厳しい要求に応えています。2020年には11号館を建設し、クレーンを備えて大型部品の加工に対応できるようになりました。
　一方、環境マネジメントにも注力し、ISO14001を取得しているほか、メイン顧客のニコン環境パートナーとして認定を受けています。また、自然災害時に、社員と家族の人命を守り、企業活動を継続しサプライチェーンとしての社会的責任を果たすため、「事業継続力強化計画」を策定しており、経済産業省から認定を受けております。